歌川国芳 水滸伝
一勇斎国芳の出世シリーズ、水滸伝豪傑百八人之一個 毛頭星孔明
左上の文章はこの水滸伝の登場人物の事が書かれています、比較的読みやすそうなので、自分なりに読んでみます、「白虎山の孔太公の嫡男なり、乞食のすがたとなり、北京城へしのびこみ、牢をうちやぶり、ろ俊義、石秀を救う」
一勇斎国芳画 極印 版元 加賀屋吉兵衛
毛頭星孔明は二竜山・桃花山・白虎山の三山の中で白虎山の首領の一人
北京城の城壁で、城に潜入後に警護の歩哨を締め落としているところでしょうか・・
この後に牢を破り、蘆俊義・石秀を救い出すシーンだと思います。
醜群馬宣賛(しゅうぐんばせんさん)
軍功を称えられ群王の娘の入婿となるが、宣賛のあまりの醜さを苦にし妻は自殺してしまう。醜さと生真面目さで疎まれ、禁軍の総帥、童貫と不仲で警備隊長のまま出世できないでいた、北京大名府の救援に向かい梁山泊軍に捕らえられたが、説得され関勝・郝思文と梁山泊軍に加わる。
この水滸伝シリーズも上位の武将は人気があり展覧会に出品されたり、浮世絵関連の書籍でも掲載されたりしますが、この宣賛は40位の武将で関羽の子孫の関勝を自軍
に引き入れたりするが、長い物語の中でこれといった場面がないままで、キャラクター的にも地味なのであまり記憶には残りません。たしか最後の方臘(ほうろう)戦で大量に戦死者が出たときに亡くなっていました。
原東京衛内の防御使、背月王府において群馬人・・立身も、・・・童貫と不和成りゆえ漂浪
又群馬保義・・職・るを後、関勝と共に山陣へ遣・・・北京・・・樹坂・・聞達季成が陣と討・・
井木犴 郝思文(せいぼくかん・かくしぶん)
宣賛と同じく救援隊の副将として戦うも捕らえられ梁山泊軍に加わる。
確か郝思文も方臘(ほうろう)戦で戦死しました。多分人気ランキングの上位には入らないでしょう。
水滸伝は林冲のように元は官職にあった好漢が宋の奸臣に陥れられて
行き場を無くして梁山泊入りする過程や、武松のように兄を殺され
復讐の末に兄嫁や密通した相手を殺して二竜山で山賊の仲間入り
したり、後に梁山泊の頭領になる宋江はこれも部下と密通した
うえに梁山泊の晁蓋との密書を役人に届けると言った妾の閻婆惜を斬り、
罪人となる。宋江には人を引き付ける能力があり、山賊に毒を盛られたり
捕らえられたりしても名前を名乗ればあの「及時雨」宋江様でしたかと
相手は驚き義兄弟になっていく。
魯智深や林冲の場合、決闘の後おたがいの力を認めて、ご尊名をお聞かせ願いたい
〇〇です・えーあの〇〇ですか!で義兄弟の儀式を始めます。最初からおたがい名乗れよ!
最後は梁山泊軍は招安され官軍になり、休む間も無く方臘戦に駆り出され
頭領の大半を失う羽目に。
最終的に武松が逃げる方臘を片腕を無くしながらも生け捕りにする。
宋江以下の生き残ったメンバーはそれぞれ高い官職につくが宮廷にはびこる奸臣が
だまっていない。蔡京・童貫・高俅達に陥れられこの世を去っていく。
宋江のビジョンは正しかったのか?晁蓋が生きていれば方臘とは同盟を結び
金や遼と呼応して宋を倒す事も可能ではなかったのか?・・・・
黒旋風李 逵(こくせんぷうり き)鉄牛は宋江を盲目的に慕い、どこにでも
行きたがり宋江から再三「面倒は起こすなよ」言われ、燕青(えんせい)等を
お目付け役につけられる。これがお約束で子供のような鉄牛はトラブルを起こし
逆に事態が好転したり取り返しのつかない失敗をしたり・・・でも最後は
ゆるされてしまいます。思った事を口にする鉄牛は梁山泊で楽しく暮らす事が
好きで招安に反対し宋江に皇帝になればいいと言います。鉄牛の直感は当たっていました。
徽宗(きそう)から与えられた毒入り御酒を宋江は知っていながら飲んで、
虫の知らせか丁度訪ねてきた鉄牛は残りを飲み干す。呉用や花栄はその
二人の墓の近くで首をつり長い物語は幕を閉じます。
108人もいると中盤以降に梁山泊入りした好漢は思い入れが薄く
序盤に出てくる林冲や魯智深、武松、楊志の人気が高く鉄牛は面白い
のですが見境いなく暴れるので好感は持てません。
またイケメンキャラとしては徽宗に取り入る為に、李師師を籠絡した
燕青が女性人気も高いです。
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