河鍋暁斎 毘沙門天

全体425×1560mm

絵330×780mm

河鍋暁斎 毘沙門天 絹本 これも明治期に描かれたであろうとしかわかりません。

絵自体は本物であろうと思いますが、古さ感が無くあまりにもきれいなので、精巧に作られた複製品

かもしれません、真実を知りたいです。この絵の注目点は空中に浮遊している様子を表現

している雨雲のようなもので、俵屋宗達の風神雷神図屏風を思い出します。


明治時代の海外から日本に来たお雇い外国人は、北斎、歌麿などの浮世絵や狩野派の絵

さらには、その時代に存命中で最強の画家である暁斎の絵を競って買いあさりました。

日本人がまだ美術品として理解してなかった、紙くず同然の浮世絵を大量に買取して

海外に流出させました。彼らは日本人から美術品を奪ったのでしょうか?

その反面、日本にあれば捨てられ散逸したはずの浮世絵や肉筆画を国際的な美術館で保護した

功労者でもあると考えられます。


暁斎にも数多くの外国人が近づき多くの肉筆画を購入していきました。暁斎が海外で評価が

高いのもそのせいです。外国人が高額のオファーで作品を頼めば、狩野派の技術を駆使した

細密な肉筆画を暁斎が描き、海外の蒐集家や美術館のもとに納まり、評価が高まります。


それでも明治時代、会場を借りて席画会と言う即興で絵を書き販売するイベントがあり、人気者

の暁斎はひっぱりだこで多くの絵を書き、自宅では肉筆画の注文が大量に殺到していまだに

発見されていない、暁斎作品は山ほどあります。歌麿の新作が出ればたちまちニュースに

なり研究されますが、暁斎作品の新発見が出てもだれも気にしません。


今のうちに研究して作品の保護とアーカイブの作成が必要ではないでしょうか。

インターネットオークションについて・・・

本物か偽物かを写真だけで判断するのは至難の業です。見分けるコツはその作者の絵を

丹念に見て特徴をつかむ以外にはありません、それでも複製品が出た場合は見分けがつきませ

ん。出品者の評価や実績をみて総合的に判断するしかありません。肉筆の場合はその作者が

もつ癖や筆運び、技法等を研究し最終的には感覚・感性にたよるしかありません。

どのくらいの確率で本物が出ているのかは定かではありませんが、あきらかに稚拙で偽物

とわかる場合はすぐ判断できますが、絵が上手な人が似せて書いたり、弟子や同門の絵師が書

いた場合は専門家でもわかりにくく、当然素人にはわからずだまされる場合が多いです。


浮世絵の場合は比較的判断しやすく印刷物か複製品か本物かしかありません、写真で紙質を

見て判断して、時代感のある状態と、出品者の評価を見ればたいてい安心して入札できます。

また商品が手元にとどいたら本物かどうかすぐわかるので出品者も複製の書き込みをして

出品するのがほとんどで肉筆よりかははるかに安心できます。

ただ中には悪意がある出品者も多いので要注意です。





大江戸浮世絵美術館

江戸後期・明治の私設美術館です、美術品は管理人の所有物です、画像をクリックすると詳細・関連作品が閲覧できます。    河鍋暁斎や歌川国芳が大好きで、蒐集・研究しています。あわせまして幕末タイムトラベル!というHPもやっています。 ご連絡・ご要望はコメント欄よりお願いします。

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